考えつくままの

美しい嘘をつき続けたい

耳石、落つ

いつものように朝ごはんを食べていると急に眩暈がして、目の前の景色がゆっくり回り始めました。やばいと思ってベッドに向かおうとすると、体が右側に傾いてまっすぐ歩けません。もしかすると脳の血管が切れたのかもしれない。私はそう思ってベッドに楽な体勢で横になり、友達や先輩方へ遺書をしたため始めました。したためている途中で吐き気が頂点に達し、床にぶちまけてしまいました。最悪。ものすごい目眩の中、私は頑張って床のゲロを片付けました。褒めて欲しい。

 

どうやら、耳石が落ちたようです。耳石が落ちると三半規管のリンパ液に入って平衡感覚が云々。祖父も何年か前に耳石が落ちて大騒ぎしていたので、うちの一族は耳石落ち族なのかもしれません。うんうん呻きながらベッドに寝っ転がっていると、父母妹がピアノを持って私の家にやってきました。やってきて、父と妹が私の顔を覗き込んで開口一番

「まだ目回ってる?風景流れてる?ねえ、まだ流れてる?流れる季節?」

と言って、レミオロメンの3月9日を流し始めました。「流れる季節の真ん中で〜」の部分を繰り返し繰り返し流していました。悪い夢を見ているのかと思いました。その後のこの3人の怒涛のボケに私はついていけませんでした。私のボケはこいつらに比べたらまだまだなんだ、ということを思い知って、悲しくなりました。目眩もしてるし。ピアノを設置し終えた3人は手を繋ぎ、輪を作って私の周りをぐるぐる回るなどしていました。なんか玄関の電球がミラーボールに変えられてるし、もうわからん。私の家族は、なんかおかしいのかもしれない。耳石許せん。