考えつくままの

美しい嘘をつき続けたい

ムルグマカニを作る

やっぱりカレーを作るしかない

今朝、起きて優雅に朝食でも取ろうと思っていたら、本日締め切りの課題が何と3つあったことを思い出した。しかもそのうち1つは一限に提出しなければならないものだった。私はすごい勢いで課題を終わらせ、息をつく間もなく一限へ向かった。一限が終わると息をつく間も無く二限があった。二限が終わると息をつく間も無くゼミ発表のメンツで文献探しの旅に出なければならなかった。一回も息をしていない。窒息してしまう。

図書館で活字の海に溺れながらも、私はずっと夕ご飯のことばかり考えていた。共に活字に溺れている「倫理学のあいつ」に今何食いてえすか?と聞いてみると、何でも良い、と言われた。私も腹が減って心が二畳くらいになっていたので「じゃあてめえはケシカスとかでも食えるんですか〜??」と小学生みたいなことを言いそうになったが、グッと堪えた。ゼミ発表の参考文献やら方向性やらテーマやら、全然進まなくてイライラしてしまう。自分の心の狭さに嫌気がさした日には、やっぱりカレーを作るしかない。

 

都会のモダンカレー『ムルグマカニ

今日はついにナンに手を出そうと思った。貴重な無印のナンの粉を使うからには、それ相応のカレーを作らねばならない。前回のサグパニールのように無計画、無秩序に作るわけにはいかない。私は考えた。今現在の力量で作り得る、ナンにぴったりのカレーとは。すると、私の脳裏にカレーの仙人が降りてきてこう告げた。「ムルグマカニを作りなさい」と。

諸君。『ムルグマカニ』なるカレーを知っているか。多分知らない。しかし、バターチキンカレーというと、知ってるぜ!食ったこともあるぜ!という人もいるだろう。ムルグマカニはバターチキンカレーと同義語である。バターチキンカレーのインド名がムルグマカニなのだ。ムルグマカニニューデリー発祥の都会のカレーである。しかも誕生が1950年代で、わりかし最近のカレーである。都会のモダンカレーである。

バターたっぷりのナンには、バターたっぷりのカレー......。そういうわけで、私は『ムルグマカニ』を作ることに決めた。

 

作っていく

今回の材料は上の写真のとおりである。サグパニールの時とあまり変わらない。いつもカレーを作る時はトマトの水缶を使っているのだが、今回はインドカレー特有のサラサラ具合にしたかったので、野菜ジュースを使うことにした。これは私の尊敬するインドカレーyoutuber、世界の皿さんぽ師匠の真似である。

 

①玉ねぎをみじん切りにす。

毎度の如く泣かされている玉ねぎをみじん切りにしていく。

 

グググ......

 

 

破ッ!!!!!!

 

今回は数日間冷凍庫で萎びていた玉ねぎを使ったので、人間の眼球を攻撃する力もなかったようです。とりあえず一勝。

 

②玉ねぎを炒める

バター、ニンニクペースト、生姜ペースト、塩、玉ねぎを一緒に炒めます。ちなみに、ムルグマカニの「マカニ」はヒンディー語でバターを意味します。前回作ったサグパニールの「パニール」はチーズを意味するのですが、無秩序無計画に作ったせいでチーズ入ってなかったので、あのサグパニールはただのサグだった、ということが判明しました。

 

③カレーにする

なんか、サグパニールとほとんど工程変わらないので一気にカレーにします。玉ねぎ炒めた後に、鶏肉入れて、ほいで野菜ジュース、赤缶、胡椒、クミンを入れます。


ヨーグルト入れます。カレーにこういったミルク系というか、なんというか、とにかくマイルドにするためのものは必要不可欠。なんか深みが増します。多分。北インドではヨーグルトを入れて、南インドではココナッツミルクを入れるそうです。サグパニール北インドのカレーなので、ヨーグルトを入れる工程がありました。ちなみにベンガル地方では両方があります。もうほとんど完成です。

 

④ナン、アチャール風の何かを作る

ナン作ります。粉にサラダ油と水入れて混ぜます。計量カップないので勘です。計量カップあってもいまだに液体の単位がわかってないので無理です。

なんかすげえベシャベシャになってしまいました。10分ほど寝かせます。おやすみ!

ナンが眠ってる間に死にかけの人参でカレーの付け合わせ「アチャール」風の何かを作ります。すごい昔にこんなのを食べたことある気がする...の記憶で作っていきます。千切りにした人参を酢、クミン、胡椒で和えます。簡単!

ナンをぶち起こしてたっぷりのバターで焼きます。本当は麺棒で伸ばして薄くして形を整えなければならないのですが、麺棒はないし、ベチャベチャだしで、こんなことになりました。不安!

不安的中!!何これ?

めっちゃ分厚いパンケーキみたいな感じになっちゃいました。ナンとは?

これで全て完成です。

 

⑤皿に盛るぞ

いい感じに皿に盛ります。今日、ダイソーでカレーを入れる銀の皿を買ってきました。気分はニューデリーのシティーボーイ!!人参のアチャールとジャパニーズ漬物の文化の多様性感も良い感じです。

 

実食

うめえ。

なんやかんや、ナンが美味すぎる。バターの風味と、ほのかな甘味。それがムルグマカニの辛さに良い感じにマッチして美味い。いやーうめえ。一時は「米炊いときゃよかったな......」なんて思ってたけど、ナンだけで大満足です。アチャールもさっぱりしてて最高!主役のムルグマカニは鶏肉がなんかほろほろで良い。本当は生クリームとかも入れなきゃだったのですが、これはこれでうまし。いやー、ムルグマカニの生みの親、グジュラールさんに感謝。ちなみにこの人はタンドリーチキンの親でもあります。レジェンドです。

 

いやー、満足。やはり金曜にはカレーを食うべきです。これで明日も休みだったら最高なのですが、履修登録期間の無駄にやる気のある私が土曜に一限入れちゃったので全然最高じゃないです。とりあえず、明日の朝もカレー食べてバリバリ頑張ります。

 

参考文献

コリーン・テイラー・セン 『カレーの歴史』

高野たけし アジア「カレー」紀行