考えつくままの

美しい嘘をつき続けたい

「デッド・ドント・ダイ」と映画沼

 かれこれ3年くらい気になっていたゾンビコメディ映画「デッド・ドント・ダイ」をやっとこさ観た。めちゃくちゃ静かなB級ゾンビ映画だった。シュールな笑い、メタ発言、カオスな展開、回収されない謎………。おそらく好き嫌いが分かれる。私は好きだ。

 

 推し俳優のアダム・ドライバーを目当てに観たのだが、途中でスティーヴ・ブシェミも出てきて狂喜乱舞した。ブシェミには「レザボアドックス」で銃を撃つことは主義に反するとして、作中で一回も銃を撃たなかったという逸話がある。それ故に「ゾンビ映画で銃を撃たないって.........どうなっちゃうの!?ブシェミが死んじゃう!!」とハラハラ思っていたら普通にぶっ放していて笑ってしまった。この逸話を検索にかけてみたが、それらしい話がどこにもなかったので、もしかすると別の世界線のブシェミを見てしまったのかな、と思う。私はブシェミが好きだ。顔の小悪党感が好きだ。どうにか生き延びてほしかったが、やはり顔が小悪党なので無惨に死んでしまった。次観る映画は、ブシェミが死なない映画にしようと思う。

 

  観終わった後、あまりのB級さに監督を調べたところ、なんと「コーヒー&シガレッツ」のジム・ジャームッシュ監督であることが判明した。私は深く感動した。こういうことがあるから映画はやめられねえ。そう言われると「コーヒー&シガレッツ」のあの静かさとシュールさが「デッド・ドント・ダイ」の雰囲気に似ている気がする。素晴らしい。やっぱ監督の個性ってあるんだなあ、と自称・映画好きながら今更思った。今まで監督を気にして映画を観ることがなかったが、これからは色々気をつけて観ようと思う。なんだか監督に手を出すと、沼にはまってもう引き返せない気がする。タチケテ………